先々週から
- 2015年11月3日
- 読了時間: 3分
晴れて彼女との交際が認められ、特別に俺の家に同居することとなった。彼女のように三人暮らしの一軒家でもなく、特殊なアパートの二階に暮らしているのだが、閉所恐怖症は人といると緩和されるようだ。俺としては彼女の家の方が望ましかったのだが(部屋の広さと家族)、姉と関わってほしくないらしく、断固拒否された。恐怖症があるくせ、狭い部屋には少々憧れを持っていたそうだ。案外、女性らしい小さいものに憧れを抱く心理と同一なのかもしれない。個室の、俺のモノクロに徹底した家具の統一に驚いていた。
彼女の部屋は俺の部屋の隣。一応何も用意しなかったのだが、正解だったようだ。同居を試みてから半日後に、インサイト司令官が彼女の部屋にある家具や日用品を宅配してくださっていた。時折部屋を覗きにノックをして入出をするが、やはり女性ならではの香りと配色を感じる。少し大人しめのブラウンを意識しているみたいだ。アンティークで、俺の部屋とは正反対になっているところが面白かった。
そんな俺には、二週間立って気がついたことがある。彼女は頑張りすぎるところが少々目立つようだ。特に食事面に関してはかなり徹底している。姉さんのほうは中華、司令官はイタリアン、サヴィーはインド料理に精通しているという話を前に一度聴いたが、彼女はほかにも料理ができた。特に栄養をバランスよく摂取することのできる和食の完成度は眼から鱗ものだ。旬があり、色があり、食欲をそそる。とても喜ばしいことなのだが、彼女が逆にストレスに感じてはいないだろうか、心配になってきた。今晩はそれにつて、彼女に問うことにした。
決まって彼女はたどたどしい反応をしてきた。が、俺が朝早くからジョギングをしていることを話しては、「健康を食事面からサポートしよう」と言い切られた。これだから彼女に惚れてしまう。早急に彼女を嫁に貰いたい。
しかし俺は【殺人兵器】だ。俺たちは人権というものが完璧に保証されている身分ではない。命を顧客に、あるいは御社、雇い主に受け渡して、初めてその会社に則ったある程度の人権が与えられる。俺たち個人が人権を主張することは基本的に許されていない。そこでhi0博士のところへ赴き(グローア主は出張だった)この一件について相談をしようと決意した。
意外なことに、「婚姻は勝手に決めてもらって、結婚式をあげた瞬間から晴れて家族を持つ=戸籍ができるから、範囲拡大の要請なんてしなくて良い」だそうだ。博士の目はいつも冷たいが、今回はワクワクしていたように伺えた。博士達の間ではこれを「人権抜け駆け奪回法」とも奇妙な名前で呼んでいる。心から応援されているのかわからない声援をいただいたので、これからも彼女に抜かり無くアプローチをしていく予定だ。



























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